AIDMAやAISASは古い【という安易な判断に要注意です!】

AIDMAやAISASは古い

更新日:2023年8月19日 筆者:鈴木俊雄@smart_plan_tsFacebook

AIDMAやAISASは古い【という安易な判断に要注意です!】

要約

購買行動フレームワークのAIDMA(アイドマ)やAISAS(アイサス)を古いという意見があります。ですが、古いということはありません。ただ単に他の新しい購買行動パターンが出てきただけです。パターンが増えたというだけです。

重要なことは、

古いとか最新とかではなく、あなたのビジネスや商品サービスにおいて、ターゲットはどのような購買行動をとるのか?です。フレームワークに振り回されないようにしてください。

詳しくは本文をお読みください。

AIDMA(アイドマ)とは(Wikipedia)

AISAS(アイサス)とは(日本経済新聞)

この記事は、

といったような疑問や質問のある、マーケティングの初心者の方に向けてまとめてあります。

この記事を読むことによって、

AIDMAやAISASは古いという安易な判断には要注意です

AIDMAやAISASは古いと言う人がいます。AISCEASやDECAXなど他の購買行動フレームまで古いと言う人がいます。

たしかに、時系列で言えば、昔のものは古い、古いものは古いとなりますし、新しいものは最新となります。

ですが、ここでの「古い」とは、使いものになるかならないか?という意味の「古い」です。

であれば、AIDMAもAISASも、他の購買行動フレームワークも古いということにはなりません

ではなぜ、AIDMAやAISASが古いと言われてしまうのでしょうか?

AIDMAやAISASが古いと言われる理由

AIDMAやAISASが古いと言われてしまう理由は主に4つあります。

AIDMAやAISASが古いと言われてしまう理由

それぞれの理由について、かるく説明していきます。

理由1.新しい購買行動があることを伝えたい

世の中は常に変化しています。見込み客や顧客が購買へ向けて重要視するポイントも変化していきます。購買心理や購買行動も変化していきます。

にもかかわらず、既存の購買行動フレームワーク(たとえばAIDMAやAISASなど)に縛られて視野が狭くなっていると、マーケティングに失敗する可能性が出てきます。

なので、あえて「古い」と言ってくれているわけです。そう言って、縛られていてはいけないよ。視野が狭くなってちゃダメだよ。と教えようとしてくれているわけですね。

このように”愛“をもって「古い」と言ってくれている人がいます。これが、一つ目の理由です。

理由2.マーケティングを学問的に見ている

どう言えば良いか分からないのですが、マーケティングには、学問的に語られるマーケティングと、実践的なマーケティングがあります。

学問的というのは、学校の教科書的なものというか、評論家や大学教授が語るようなものだということです。イメージ伝わりますかね?

学問的に購買行動プロセスを捉えていくと、AIDMAなどは「古い」と言われがちです(100年前のものとか、インターネットが考慮されてないとか、ああだこうだという理屈や理論で…)。

ですが、私たちに必要なのは、もっと実践的なマーケティングです。学問的な視点は必要ありません。

理由3.インターネットに触れないものは古いという決めつけ

このインターネット普及の時代に、アナログや足を使ったリアルで活動するマーケティングや営業などは、もう時代遅れだと決めつける人がいます。

なので、そういう人は、インターネットに触れていない購買行動フレームワーク(たとえばAIDAやAIDMAなど)を古い!と決めつけてくるわけです。

たしかに、今の時代、ウェブ、ブログ、メールマーケティング、SNSなど、インターネットを活用したマーケティングの方が、アナログやリアルの何十倍、いや何百倍もの成果を得られる可能性が高いです。

でも、アナログや足を使ったリアルな活動で上手くやっている人は、今でもまだいますよね。むしろ、インターネットを使うより使わないマーケティングの方が上手くいくケースだってあります。

理由4.よく知っていると思われたい

あまりマーケティングをよく分かっていないのに、知識あるようなふりをして、AISASやAIDMAなどを語る人は、なんとなくで「古い」と言っているようです。。。

ネットで調べたり、ChatGPTで調べたりして、何の確信もないのに、誰かが「古い」と言っているから…。AIが「古い」と言っているから…。じゃあそうなのかな?というレベルですね。

あとは、「私って凄いでしょ」「よく知っているでしょ」と思われたい人は、「〜は古いです!私は最新を知ってますよ!」と言いがちです。

AIDMAやAISASが古くない理由

AIDMAもAISASも(その他も)古くありません。

AIDMA(アイドマ)が古くない理由

AIDMA(アイドマ)は、

という購買行動フレームワークです。

AIDMAの購買行動プロセスフロー

普通に考えてみてください。

どの購買行動要素も、普通に今でも重要ですよね。

どこが古い(=使えない)のでしょうか?AIDMAは今の時代でも(この先の未来でも)マーケティングやセールスのプロセスで普通に当てはまります。基本です!

AISAS(アイサス)が古くない理由

では、AISASは?

AISAS(アイサス)は、

という購買行動フレームワークです。

AISASの購買行動プロセスフロー

インターネットに関する「検索」が入っていますね。でも、古いという人がいます、、、

これは電通さんが提唱したフレームワーク(2004年)ですが、Dual AISAS(デュアル・アイサス)DECAX(デキャックス)など、次なるフレームワークを電通さん自身が新たに提唱しています。

なので、古いと言う人も出てきているのかもしれません。

ですが、AISASのどこが古い(=使えない)のでしょうか?これも、今の時代でも(この先の未来でも)普通に当てはまりますよね。

当てはまるとは限らないけれど

もちろん、時代はどんどん変わるので、AIDMAやAISASが当てはまらないという購買行動もあるでしょう。AIDMAやAISASでは不足している購買行動要素もあるでしょう。

他の新しい最新の購買行動フレームワークだと当てはまるかもしれません。

でもそれは、ただ単に他の新しい購買行動パターンが出てきているというだけです。パターンが増えたというだけです。もしくは、具体化されたというだけです。

それだけで、AIDMAやAISASが古いとはなりません。むしろ、基本の要素としては、AIDMAやAISASの方がシンプルで使えるというケースだってあります。

AIDMAやAISASは、基本的であって具体的ではないかもしれません。でも、それを「古い」とは言いません

AIDMAやAISASに代わる最新の購買行動フレームワークとは?

ということで、AIDMAやAISASは古くありません。

と言っても、最新の購買行動フレームワークを知りたくなるという気持ちもわかります。

なんですが、、、

古いも最新も気にしない

あなたのビジネスやマーケティング、あなたのターゲットや商品サービスにピッタリ合う購買行動フレームワークは、おそらく存在しません。たとえ最新のものであっても、、、

近いものはあると思います。でも、ピッタリ合うものは、たぶん無いと思うんですね。何かの要素が抜けていたり、何かの要素が粗かったり、何かの要素が余分だったり。

そうではないでしょうか?

なので、「最新なんて気にしない」という方が良いと思います。

古いも最新も気にぜずに、いろいろある購買行動フレームから、自分のビジネスやターゲットにもっとも合うものを参考にすれば、それで良いと思います。

自分に合ったAIDMAやAISASを独自に定義

そこで、私がおすすめするのは、自分に合った購買行動フレームワークを、独自で定義するということです。

たとえば、

AISEPAM(アイセパム)という購買行動フレームワークがあります。

これは、福岡の総合広告代理店の株式会社千年市場さんが提唱する、進路決定や不動産購入という特定の分野における独自の購買行動フレームワークです。

既存のフレームワークに無理やり当てはめようとはしなかったわけですね。古いとか最新とか関係なく、自分たちに合うか合わないかを重要視していることが分かります。

このように、自分たちに合う購買行動フレームワークを自分たちで定義する。これがベストです。

でも、まっさらの状態から購買行動フレームワークを自分で考えて定義していくのは大変かもしれません。

であれば、既存のいろいろなフレームワークを参考にすれば良いのです。一部を流用して、一部を独自に付け足すとか、削るとか。

では、そのいろいろある既存のフレームワークって?。。。

既存の購買行動フレームワークすべてを確認する(計23パターン)

既存の購買行動フレームワークはいろいろあります。先ほどのAISEPAM(アイセパム)も含めると、私が知っているものだけでも23パターンあります。

たとえば、新しめのものだと、

などなど。。。

ULSSAS(ウルサス)

ULSSAS(ウルサス)の購買行動要素は以下の通りです。「いいね」などが入ってます。

※ UGCとはユーザー生成コンテンツの略ですが、ここではユーザー投稿として簡単に表現しておきました。

AMTUL(アムツール)

AMTUL(アムツール)の購買行動要素は以下の通りです。「試用」や「試用」などが入ってます。

AIDEES(アイデス)

AIDEES(アイデス)の購買行動要素は以下の通りです。「体験」「熱中」などが入ってます。

VISAS(ヴィサス)

VISAS(ヴィサス)の購買行動要素は以下の通りです。「口コミ」「影響」などが入ってます。

  • Viral (口コミ)
  • Influence (影響)
  • Sympathy (共感)
  • Action (行動)
  • Share (共有)

ALSAS(アルサス)

ALSAS(アルサス)の購買行動要素は以下の通りです。「アルゴリズム(プログラムの動き)※」などが入ってます。

※ YouTubeが勝手にあなたへのおすすめ動画を表示したり、Amazonが勝手にこんな商品もおすすめですと表示してくるAIプログラムの動き

SAUSE(ソース)

SAUSE(ソース)の購買行動要素は以下の通りです。「一時利用」「再販売※」などが入ってます

※ メルカリなどでの再販など

その他の購買行動フレームワーク

この他にも、いろいろな購買行動フレームワークがあります。下記の記事で、私が知っている「計23パターン+α」をすべて説明しています。

すべてを知りたい場合は、ぜひ、参考にしてください。

➡︎ 【保存版】購買行動フレームワーク18パターン(プロセスの図付)

購買行動フレームワークのすべてのパターン

まとめ(古いや最新よりも重要なこと)

AIDMAは古いのか?AISASは古いのか?何が最新か?次は何か?どの購買行動フレームワークが良くて何が悪いのか?……とかではなく、

あなたのビジネスや商品サービスにおいて、あなたのターゲットはどのような購買行動をとるのか?が重要です。

既存のフレームワークを参考にしながら、あなた独自の購買行動フレームワークを定義してみてはどうでしょうか?

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