WordPressはやめた方がいいですか?【経営者・起業者向け】
更新日:2021年10月29日 筆者:鈴木俊雄(@smart_plan_ts、Facebook)
WordPressはやめた方がいいですか?【経営者・起業者向け】
要約
WordPressでのサイト作成はやめた方がいいのか?それとも、WordPressの方がいいのか?その答えを出せるように、サイト作成ツール(CMS)の選択基準となるヒントを全て説明しています。
用語の説明
CMS:コンテンツ・マネジメント・システムの略。簡単に言うとホームページやブログなどを簡単に作れるサイト作成用ツールのことです。
この記事は、
- 自サイトを新たに作成する場合、使うツール(CMS)として、WordPressはやめた方がいいですか?
- 今現在、自サイトをWordPressで構築していますが、やめた方がいいですか?
- WordPressは「やめた方がいい」「一択・最強」の両論があるので、どちらを信じれば良いのか分かりません…
といったような、お悩みや質問のある、WordPressやホームページや、WEBマーケティングの初心者の方へ向けてまとめてあります。
但し、技術者やエンジニアさん目線の内容にはなっていません。あくまでも、自サイト(ホームページやブログ)をマーケティングの武器として活用したいと考える、個人事業主や経営者の方へ向けた内容となっています。
※ 技術者やエンジニアさん発信の情報は、技術面やテクノロジーの評価観点であり、ビジネスやマーケティングとしての評価観点が完全に抜けていることがほとんどなので、注意してください。
この記事を読むことによって、
- 自サイトを新たに作成する場合、WordPressはやめた方がいいのか、使った方がいいのか?の判断ができるようになります。
- 今現在WordPressで構築している自サイトの場合、他のCMSに乗り換えて、WordPressをやめた方がいいのか、このままでよいのか?の判断ができるようになります。
【 目次 】
WordPressはやめた方がいいですか?
「WordPressはやめた方がいいですか?」
この質問に対する最も適切な回答は以下の通りです。
“WordPressはやめた方がいいかもしれないし、WordPressでいいのかもしれません。”
曖昧な回答になりますが、これには理由があります。
なぜなら、私は、あなたのことを全く知らないからです。なので、ここでは、こう答えるしかないのですね。
サイト(ホームページやブログなど)の目的は何なのか?何をビジネスにしているのか?ターゲットは誰なのか?どのようなマーケティングをしようとしているのか?
これらによって、WordPressはやめた方がいいのか?WordPressにした方がいいのか?が変わってきます。
背景を何も知らずに、WordPressはやめた方がいいのか?それとも、WordPressにした方がいいのか?無責任にその答えは出せません。
初心者だからとか、予算がどうとか、カスタマイズしやすいかどうかとか、そんなことは、全く重要ではありません。
あなたは自サイトで何がしたいのでしょうか?何を達成したいのでしょうか?WordPressはやめた方がいいのかどうかは、そこが一番のポイントになってきます。
WordPressはやめた方がいいのか、それとも、WordPressにすべきなのか、その判断が、あなた自身でもできるように、以降、各種ヒントをまとめていくので、ぜひ、参考にしてください。
WordPressが良い場合やめた方がいい場合
WordPressの方が良いのか?WordPressはやめた方がいいのか?この判断基準をざっくり言うと、
- WEBコンテンツマーケティング目的……WordPressの使用をおすすめ
- 上記以外の目的……WordPressか又は目的に合った別の方法のいずれか
となります。
WEBコンテンツマーケティングとは、自サイト(ホームページやブログなど)に検索からのアクセスを集めて、質の良い情報提供により、認知度・信頼度を高めて、新規見込み客の獲得を行うマーケティング手法です。
WEBコンテンツマーケティングが目的のサイトの場合は、WordPressが適しています。それ以外の場合は、WordPressでも良いですが、WordPressである必要はありません。場合によっては、WordPressはやめた方がいいケースもあります。
WordPressをやめた方がいいケース(又はWordPressである必要がないケース)について、もう少し詳しく説明していきます。
WordPressはやめた方がいいケース
WordPressをやめた方がいい場合、もしくは、WordPressである必要がない場合は、下記のようなケースが考えられます。
- ただの会社案内や名刺代わりのホームページ
- ネットショップ系のホームページ
- 既存顧客向けのホームページやブログ
- 検索からのアクセスを要さないサイト
- 臨時的に短期間必要となるサイト
- 大規模だったり機能豊富なサイト
上記のような場合は、WordPressをやめた方がいいケース、もしくは、WordPressである必要がないケースです。詳しく説明していきます。
やめた方がいいケース1:会社案内や名刺代わり
ただの会社案内や名刺代わりのようなホームページであれば、WordPressである必要はありません。
会社案内や名刺代わりのホームページであれば、何か事業に関する変更点でもない限り、作ったら放っておきますよね?たま〜に変更できれば十分ですよね?
また、会社案内や名刺代わりのようなホームページでは、集客も無理です。アクセスは得られません。新規見込み客からのお問い合わせも期待できません。
わざわざ、そのような、マーケティングに活きてこないホームページをWordPressで作る必要はありません。WordPressも簡単ですが、もっと簡単に管理できるツールやサービスを探してホームページを作った方が楽ですし無駄が無いです。
もっと簡単に管理できるツールやサービスとは、
たとえば、
- Wix(ウィックス)
- Jimdo(ジンドゥー)
- ペライチ
などです。
上記であれば有名で利用者も多いので安心です。おすすめです。これらで、ホームページを管理する方が、WordPressよりは楽です。
参考)
WordPressに慣れている人は、逆にWixやJimdoなどの方が難しく感じる場合もあります。要はWordPressも、Wixも、他も、“慣れ”が占める要素が大きいということですね。
ちなみに私は、WordPressホームページを基盤とする集客方法を、教え指導する活動をしていますが、このケースのご相談者(初心者)には、WordPressではなくWixやペライチなどを勧めています。
やめた方がいいケース2:ネットショップ系
WordPressでもネットショップ系のサイトは作成できますが、ネットショップ系のサイトは、ネットショップ専門のサービスを活用した方が良いです。WordPressだと構築がやや難しいのでやめた方がいいです。
ネットショップ系だと、注文や決済など、色々と特殊なやり取りのできる機能が必要になってきます。それらの機能がデフォルトで揃っていないWordPressより、ネットショップに必要な機能が最初から揃っているEコマース専用のサービスを活用した方が楽で、かつ安全です。
ネットショップ系であれば、色々なサービスがありますが下記がおすすめです。
- BASE(ベイス)
- STORES(ストアーズ)
サイトを作成するならECサイト作成に特化した下記のCMSがおすすめです。(BASEやSTORESより難易度が少し上がります)
- Shopify(ショッピファイ)
尚、オリジナルのネットショップサイトをオーダーメイドで作成しようなど思わないでください。まともなネットショップサイトのオーダーメイド制作なら、数百万〜二千万くらいかかります。先述のサービスやツールの活用を検討してください。
やめた方がいいケース3:既存顧客向けのホームページやブログ
ホームページなどWEBサイトの最大の目的は、一般的には新規見込み客の獲得です。これが最も利益につながる活用法です。
ですが、中には、WEBサイトの目的を、既存顧客向けの情報発信媒体にするケースもあります。この場合は、WordPressである必要はありません(WordPressでも構いませんが)。
なぜなら、検索に強いWordPressサイトで、記事コンテンツを公開し、SEO対策を行い、検索から新規見込み客のアクセスを集める必要がないからです。
既存顧客は、サイトをブックマークしています。そこからアクセスしてきます。もしくは、メルマガやLINEやハガキなどで知らされたURLリンクをクリックしてアクセスしてきます。
なので、WordPressサイトでもいいですが、WordPressサイトである必要はありません。そうなると、WordPressよりも管理が簡単なWixなどで十分となります。
※ 制限なくコンテンツを自由に用意していきたい場合は、WordPressの方が良いかもしれません。
やめた方がいいケース4:検索からのアクセスを要さないサイト
前述の「既存顧客向けのホームページやブログ」もそうですが、その他の理由で、検索からのアクセスによる新規見込み客獲得を求めないサイトは、WordPressである必要はありません(WordPressでも構いません)。
検索からのアクセスを要さない代表的なケースというのは、
- WEB広告 → WEBページ(新規見込み客獲得ページ)
- SNS投稿 → WEBページ(新規見込み客獲得ページ)
です。
この場合、検索に強いWordPressサイトで、記事コンテンツを公開し、SEO対策を行い、わざわざ検索からアクセスを集める必要はありません。
なので、WordPressサイトでもいいですが、WordPressサイトである必要もありません。そうなると、WordPressよりも管理が簡単なペライチなどでも十分となります。
※ 新規見込み客獲得ページ以外のページも、制限なく自由に用意していきたい場合は、WordPressの方が良いかもしれません。
参考)
もし、WordPressで作成したサイトやページが全く検索されないから、WordPressはやめた方がいいかな…と思っているのであれば、下記の記事をチェックしてください。
➡︎ WordPressページが検索されない【19の原因と対策ガイド】
やめた方がいいケース5:臨時的に短期間必要となるサイト
臨時的に必要なサイトや、短期間のみ必要となるサイトなどを新規に用意する場合は、WordPressはやめた方がいいです。
資産にもなり、永続的に活用していくマーケティングの基盤となるサイトであれば、WordPressにした方が良いですが、臨時的・短期間の運用という、いずれ消えゆくサイトであれば、わざわざWordPressにする必要はありません。
Wixやペライチなどのサービスを活用した方が楽です。
但し、既にWordPressサイトがあるのであれば、たとえ一時的なページでも、新たなサービスを使うより、既存のWordPressサイト内に臨時ページなどを作った方が早いです。
やめた方がいいケース6:大規模だったり機能豊富なサイト
大規模なサイトや機能豊富なサイト、たとえばマッチングサイトや会員制オンライン講座サイトなど。このような凝ったオリジナルサイトを作る場合は、WordPressはやめた方がいいです。というか、WordPressどうのこうのではなくサイトを自分で作成すること自体無理です。
なので、まず、代替できるプラットフォームやサービスを探してください。無ければ、WEBサイト制作の専門家に制作を依頼してください。
サイト制作依頼の場合は、もちろん相当な費用がかかります。たとえば、マッチングサイトであれば、どんなに安くても1千〜2千万は必要です。その点は覚悟してください。
参考)
起業アイデアや新規事業案で、何らかのマッチングサイトを構築し、ビッグビジネスを狙いたがっている方がたまにいます。そのような方にアドバイスです。もっとスモールスタート&スモールサイトではダメですか?
WordPressおすすめ?やめた方がいい?目安一覧
WordPressがおすすめか?やめた方がいいのか?もう少し細かく、サイトの種類毎に目安をまとめてみたので参考にしてください。
WordPressおすすめ?やめた方がいい?目安一覧
- コーポレートサイト(会社案内のようなホームページ)……WordPressである必要なし
- リクルートサイト(採用募集目的のホームページ)……WordPressである必要なし
- 商品サイト(その商品やサービスに閉じたカタログ的なホームページ)……WordPressである必要なし
- オウンドメディアサイト(見込み客獲得用の情報コンテンツを公開するためのホームページやブログ)……WordPressがおすすめ
- 日記ブログ(ただの日常や業務のお知らせ)……WordPressである必要なし
- Eコマースサイト(ネットショップ)……WordPressはやめた方がいい
- アフィリエイトサイト(広告収益目的のサイトやブログ)……WordPressがおすすめ
- マッチングサイト(食べログやココナラみたいなサイト)……WordPressはやめた方がいい
- 会員サイト(講座用など会員のみが見れるサイト)……WordPressはやめた方がいい
- WEBサービスサイト(ツール的なサービスを提供するサイト)……WordPressはやめた方がいい
- 一時的なサイトやページ(イベント用など)……WordPressである必要なし
- LP:ランディングページ(資料請求などコンバージョンさせるページ)……WordPressである必要なし
- 大規模サイト(膨大なページ数・膨大なアクセス量)……WordPressはやめた方がいい
※ WordPressである必要なし=WordPressでもOKという意味です。
WordPressと他のCMSとの比較
WordPressはやめた方がいい場合(又はWordPressである必要がない場合)をケース別や種類別に説明してきましたが、ピンとこないケースや、当てはまらなかったケースもあると思います。
そこで、サイトやブログの作成方法3パターン(有名CMS)の特徴の比較も載せておきます。これも判断のヒントにしてください。
- WordPress(CMSシェア1位)
- Joomla(CMSシェア3位)
- Wix(CMSシェア4位)
※ ○や△は私個人の判断です。
※ シェア2位はShopifyですがEコマース用なので省きました。
WordPress | Joomla | Wix | |
シェア率 | 65.1%(1位) | 2.8%(3位) | 2.8%(4位) |
公開情報量 | ◎ | △ | △ |
運用難度 | ○ | △ | ◎ |
拡張機能数 | 58000 | 6000 | 250 |
デザインテンプレート数 | 8500 | 1000 | 500 |
ブログ機能 | ◎ | ○ | ○ |
SEO(検索エンジン最適化) | ◎ | ○ | △ |
資産化 | ◎ | ◎ | × |
料金 | 無料 | 無料 | 無料(有料プラン有り) |
シェア率
WordPressが抜けて圧倒的なシェアです。
公開情報量
ネット上の情報の数も、書籍の数も、WordPressが圧倒的な数です。
運用難度
難度は、一般的には、Wixが簡単、Joomlaがやや難しい、WordPressはその中間といった感じです。
拡張機能
WordPressにはプラグイン、Joomlaにはエクステンション、WixにはWixアプリと、それぞれ拡張できるオプション機能を追加できるようになっています。質はピンキリですが、数はWordPressが最も多いです。
デザインテンプレート
いずれのCMSも、見栄えを綺麗に見せるデザインテンプレートが豊富に用意されています。質はピンキリですが、数はWordPressが最も多いです。
ブログ機能
ブログのような投稿記事は、JoomlaもWixも作成していけますが、WordPressが最も適しています。
SEO
JoomlaやWixでSEOを頑張ったことが無いので、絶対とは言えませんが、一般的には、WordPressの方がSEOに強いと言われていますし、私もそう思っています。
資産化
WordPressやJoomlaで作成したサイトは自社資産にできますが、Wixは資産にはなりません。
料金
いずれも無料です。(Wixは有料プランあり)
※ レンタルサーバーや独自ドメイン使用料が別途必要(目安:500円〜1000円/月)
無料ブログサービスについて
アメブロなどの無料ブログサービスは、どんなに頑張ってコンテンツを作成しても、自己所有・自己資産のコンテンツにはなりません。
WEBコンテンツマーケティングを目的とする場合は、無料ブログサービスはやめた方がいいです。※サブのメディアとして活用するのはアリ。
その他のCMSについて
たとえ、WEBコンテンツマーケティングが目的でなくても、無名の企業が提供する無名のCMSを使うのは危険です(いつサポートやアップデートが終了するかわからないので)。
私も全てのCMSやサービスを知っているわけではないので、どれがどうというのは明言できませんが、本当に優秀だと、あなたが判断するのであれば使って良いと思います。ですが、気をつけてください。
参考)CMSシェアベスト10
- 1位.WordPress(65.1%)
- 2位.Shopify(6.3%)※ECサイト用
- 3位.Joomla (2.8%)
- 4位.Wix(2.8%)
- 5位.Squarespace(2.7%)
- 6位.Drupal (2.1%)
- 7位.Blogger(1.5%)
- 8位.Bitrix (1.4%)
- 9位.Magento(1.0%)
- 10位.OpenCart(0.9%)
2021年10月21日時点「w3techs」より
既存サイトをWordPressで運営している場合は?
既に、サイトをWordPressで運営している場合は、WEBコンテンツマーケティング目的であってもなくても、運営で問題やマイナスなことが起きていなければ、WordPressをやめる必要はありません。引き続き、WordPressでサイトを運営してください。
但し、最新版へのアップデートやセキュリティ管理は最低限行っておくよう注意してください。
まとめ(WordPressはやめた方がいいのか?)
WordPressはやめた方がいいのか?WordPressにした方がいいのか?
まとめると以下のようになります。
- WEBコンテンツマーケティング目的…WordPressの使用をおすすめ
- 上記以外の目的…WordPressか又は目的に合った別の方法のいずれか
補足)
「WordPressはやめた方がいい。静的サイトジェネレーターでサイトを作成した方がいい。」という声もありますが、これは技術者や開発者の観点の意見なので、その観点を判断に加える必要はありません。無視して大丈夫です。
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➡︎ WordPressは時代遅れでもう古いのですか?【経営者・起業者向け】
WordPressの将来性についての考察です。Googleトレンドのデータで考えてみましょう。
➡︎WordPressに将来性はありますか?【経営者・起業者向け】
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